肘や肩の痛みにも効果的!?パフォーマンス向上が期待できるとプロ野球選手も注目のCBDオイルとは
近年スポーツ業界で注目されているCBDオイル。この「CBD」とは、「カンナビジオール」の略称として用いられており、大麻草やオレンジの皮などから抽出される植物由来の成分「カンナビノイド」と呼ばれる成分の一種のことである。大麻草には約100種類以上の「カンナビノイド」と呼ばれる化合物が含まれており、CBDはその中でも、美容やスポーツ業界でいま注目されている成分。
大麻草と聞くと「危険で違法なのでは?」と不安になる方もいるだろうが、CBDには「気分が高揚する」などの精神作用はなく、WHO(世界保健機関)の報告書でも依存性はなく安全な成分と報告されている。そして、世界ドーピング機構(WADA)もCBDを禁止物質指定から外したことで、現在さまざまな商品が海外をはじめ、国内で発売されている。
国内ではCBD入りの美容商品が発売されると雑誌などのメディアで取り上げられ、美容成分の一つとして注目を浴びていたが、CBDは皮膚からの吸収も行われるため、最近ではパフォーマンス向上を目的として使用するトップアスリートが増加中。
皮膚に塗布するCBD製品は「CBDトピカル」と呼ばれ、クリームやジェルなどのタイプがある。体内には神経系や免疫系などの調節を行うエンドカンナビノイドシステム(ECS)が存在しており、CBDによってECSが活性化されることで、疼痛、不安、心身の緊張、睡眠サイクルなどを整える役割がある言われている。そのため、アスリートは関節痛や体の炎症部分の緩和、筋肉回復などを目的*に使用。
*2023年5月現在、科学的に効果の証明はされていません。
しかし、アスリートにとってリスクとなるのは、ドーピング検査での陽性反応。CBD製品の中には大麻成分「THC(テトラヒドロカンナビノール)」などのカンナビノイドの除去が甘いものがあるということもあり、厚生労働省も注意喚起を促している。
source:厚生労働省サイト① 厚生労働省サイト②
大麻成分THCなどのカンナビノイドの除去が甘いものは、大麻取締法上では「大麻」に該当するため、所持・使用ともに違法となる可能性がある。そのため、購入元の業者が「信頼できる企業」なのか、「THCの残留」「CB以外のカンナビノイドの混入の可能性」「その他のドーピング禁止物質の混入」については注意する必要がある。
MLBの動向
アメリカ メジャーリーグでは、2023年からヘンプ由来のCBDメーカーがチームのスポンサーになれるように制度が改定。カブスの本拠地であるリグレー・スタジアムでは、CBD入りの飲料メーカーが球場でCBD飲料を提供し、看板広告を表示するスポンサード契約を結んだ。
Photo:公式サイトより
日本でCBDを使用しているアスリート
●川崎宗則
●武尊
スポーツにおける科学的なデータがまだまだ少ない「CBD」。これから様々な検証がおこなわれ、科学的なパフォーマンス向上結果が認められるのか、違法な業者を排除したクリーンな業界になれるのか、今後の動向に注目です。
Photo:Unsplash
Edit:ミスター甲子園