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2025年春の選抜高校野球 出場32校が決定!高校野球ファンから密かに注目を集めていた“あの高校”が創部3年で甲子園初出場

2025年春の選抜高校野球 出場32校が決定!高校野球ファンから密かに注目を集めていた“あの高校”が創部3年で甲子園初出場

第97回選抜高等学校野球大会の出場校を決める選考委員会が、1月24日に大阪市内で開催され各地区代表計32校(一般選考29校、神宮大会枠1校、21世紀枠2校)が発表された。その中でも密かに高校野球ファンから注目されていたのがノーサイン野球を武器に初出場の秋季九州大会で準優勝を果たした沖縄のエナジックスポーツ高校だ。

創部3年目にも関わらず早々に2024年のドラフトで西武から6位指名を受けた龍山竜を輩出した同校は、沖縄本島北部の東海岸、名護市瀬嵩の旧久志(くし)小学校跡地に開校され、当初は通信制のみだったが、2024年4月から全日制を併設。2025年1月現在の全校生徒数は68人(全日61人、通信7人)で学校法人大城学園が運営している。

チームが取り組むのは、監督がサインを一切出さない斬新な「ノーサイン野球」。場面に応じて選手自ら考え、判断し、盗塁やランエンドヒット、スクイズを決める。ではいったい監督は誰で何をしているのか。野球部の指揮を執るのは神谷嘉宗 監督。都城東(宮崎)をはじめ、八重山、前原、中部商業でチームを指揮し、2008年に浦添商業を率いて、その年の選抜優勝の沖縄尚学を破って夏の甲子園に出場。ベスト4進出を果たした。

2014年には美里工業で初のセンバツ出場。美里工監督を退任後、2021年7月にエナジックの監督に就任。高校野球を指導して40年余のベテラン指揮官がノーサイン野球に行き着いたきっかけは、横浜高校の元監督 渡辺元智氏の「究極の野球はノーサイン。なかなかできないけれど」との言葉だった。

いいと思ったものはどんどん吸収しようと、ノーサイン野球で東亜大を3度の大学日本一に導いた中野泰造氏にノウハウを学び、美里工時代から実際に取り入れていた。その中で勝負どころでは神谷監督がサインを出し、試合の流れをコントロールしていたが、エナジックでは、練習試合を含めて一度もサインを出していないという。

考えて判断する自立した選手になってほしいとの思いで選手たちは実戦練習を重ね、「どんな意図があってプレーしたのか」「ここでベストなプレーは何か」といったことを話し合っているという。そんなこれまでの高校野球の常識を覆すエナジックスポーツ高校がこの春どんな新風を巻き起こしてくれるのか、高校野球ファンの期待は高まっている。


⚫︎選抜高校野球大会2025年の出場校一覧
北海道(1枠)
・東海大札幌

東北(3枠)
・聖光学院(福島)
・青森山田(青森)
・花巻東(岩手)

関東・東京(7枠)
・横浜(神奈川)
・健大高崎(群馬)
・浦和実業(埼玉) 初出場
・千葉黎明(千葉) 初出場
・山梨学院(山梨)
・二松学舎大付(東京)
・早稲田実業(東京)
※関東・東京は関東5校(神宮大会枠を含む)、東京1校を選んだ後、両地区を比較して残り1校を決定

東海(3校)
・大垣日大(岐阜)
・常葉大菊川(静岡)
・至学館(愛知)

北信越(2校)
・敦賀気比(福井)
・日本航空石川(石川)


近畿(6校)
・東洋大姫路(兵庫)
・智弁和歌山(和歌山)
・市和歌山(和歌山)
・天理(奈良)
・滋賀学園(滋賀)
・滋賀短大付(滋賀) 初出場

中国(2校)
・広島商(広島)
・米子松蔭(鳥取)

四国(2校)
・明徳義塾(高知)
・高松商(香川)

九州(4校)
・沖縄尚学(沖縄)
・エナジックスポーツ(沖縄) 初出場
​・柳ケ浦(大分)
・西日本短大付(福岡)

21世紀枠(2枠)
・壱岐(長崎) 初出場
・横浜清陵(神奈川) 初出場



第97回選抜高等学校野球大会は2025年3月18日に甲子園球場で開幕する。


Edit:ミスター甲子園


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