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【内野手編】ポジション別で選ぶ、後悔しない野球グラブの選び方

【内野手編】ポジション別で選ぶ、後悔しない野球グラブの選び方

野球は1試合で27個のアウトを取ることが必要になるスポーツですが、アウトを取る方法はいくつも存在します。その中でもっとも試合中のにおこるプレーで多いのが、野手がボールを捕球し打者や走者をアウトにする方法。

外野手はフライを捕球するフライアウトが多く、内野手は主にゴロ打球を捕球・送球しアウトにする方法で27個のアウトをミスなく積み重ねていければ、失点が0となり、負けることがないスポーツでもあります。

その中でも内野手のゴロは、打者のスイングやミートポイントによって打球の速度や、ときには不規則な変化をしたバウンドを捕球することが求められ、対戦相手のレベルが上がるにつれて打球の速度や質は変化する中で確実に捕球するために、まずはポジションにあった「グラブ」の用意が必要です。グラブが悪いとどんなに上手い選手でも最高のパフォーマンスは発揮できず、結果エラーにつながり重大な失点に繋がりかねません。

では、どんなポイントを意識してグラブを選んだらいいのか、お話していきましょう。


☑︎ピッチャーピッチャーは投げるポジションだからと、どんなグラブでもいいわけではありません。以下の3つを意識して選んでみましょう。


①体格にあわせて大きさを選ぶ。
投げる動作において、グラブの手は胸のあたりに引く動作が生じます。このとき、体の大きさにあっていないグラブを使用していると投球動作の邪魔になり、スムーズな投球ができなくなってしまいます。また、ボールをリリースするまでの動作においてもバランスを保つ重要な役割を担いますので、重たすぎるグラブや自分のバランスにあっていないグラブは避けたいところ。

②投球フォームによって型を選ぶ。
投手はどの野手よりも投げるポジションです。そのため投げるフォームも十人十色。投げるときにグラブを強く握る投手は「横とじ」、グラブに力を入れない投手は「縦とじ」タイプ、投球フォームにあったグラブを選びましょう。

③機能性で選ぶ。
投手は投げるポジションと言いましたが、野手の一人でもあります。ピッチャーライナーやバントなどの打球処理も当然行いますので、捕球のしやすさや当然握りかえのしやすいグラブであることも意識しなければいけません。


☑︎キャッチャーキャッチャーは野手の中で一番ボールの捕球回数が多いポジションです。「捕手」の名の通り、捕ることを専門としたポジションだからこそ、グラブ選びは非常に大切。新品のキャッチャー用グラブはとても硬く、基本的には自分の捕球スタイルにあわせて型を形成していきますが、意識して選ぶポイントは以下の3つです。


①プレースタイルで選ぶ
キャッチャーにもさまざまなタイプが存在します。キャッチングが上手い、送球が速い、配球が上手い、など特徴があります。自分がどんなタイプのキャッチャーになりたいのか、まずは考えてみましょう。肩が強くないキャッチャーであればその分、握りかえが早くできるような意識をもたなければなりません。そうすると握りかえが少しでも早くできる小回りが利くポケットが浅めのグラブがオススメです。捕球重視型なのか、送球重視型なのか、両方のバランスを意識したいのか、こうして自分のプレースタイルにあわせて選びましょう。

②重さで選ぶ
軟式と硬式ではグラブの革の厚さも変わってくるため、比例して重たさも変わってくることはわかると思いますが、同じ硬式用でも重たさは変わってきます。保管状況によっては湿気を吸って既に重くなっているグラブもあったりするので、ネットで購入できる時代とはいえ、自分の手にグラブをハメてみて手に馴染むかどうか、スピードボールでも安定した捕球が可能か必ず確認をして選びましょう。

③耐久性で選ぶ
キャッチャーは時速100kmを超えるスピードのボールを何千、何万回と捕球することが考えられます。革の厚さもグラブによって違うので、自分が所属するチーム状況や、今後何年間も使用することを考えると、どの程度の耐久性を求めるのか考えて選びましょう。
 

☑︎ファースト
キャッチャーに続いてボールの捕球回数が多い「ファースト」。内野ゴロをはじめ、さまざまな場面で捕球の機会が多いポジションです。特に内野ゴロの野手の送球において、必ずストライクボールがくるとは限りません。ショートバウンドやハーフバウンドなどあらゆる悪送球にも対応できるようなグラブ選びがとても重要です。


①柔らかさで選ぶ
ファーストミットはキャッチャーミットのような硬さで購入すると、グラブがボールになれるまでに時間がかかってしまいます。キャッチャーであればピッチャーの速いボールをブルペンで何度も受け、グラブを実戦で使える柔らかさにできますが、ファーストミットは野手の送球で慣らしていく方法が一般的です。練習だからといって硬いまま使用し、ボールを頻繁に落としているようでは、レギュラーを勝ち取ることはできません。自主練習で柔らかく慣らしてから使用するか、最初から柔らかめのグラブを選びましょう。

②大きさで選ぶ
野手からファーストへの悪送球として考えられるのがショートバウンドや高めの送球。グラブが少しでも大きければ高めの送球にも届きますが、ショートバウンドなど小回りを利かせなければならないプレー時は小さめの方が使いやすいです。自分の体格とも照らし合わせながら最適な大きさを選びましょう。


☑︎ショート・セカンド
内野手においてショートとセカンドはセンターラインを守る要のポジションです。外野手との連携や、他のポジションにも目を配る守備陣の中心に存在しているため、対応しなければいけない守備範囲は広範囲にわたり、打者と0.1秒を争うプレーをおこなう重要なポジションです。そのため素早い握りかえが可能な、小回りが利くグラブ選びが大切です。


①機能性で選ぶ
難しい複雑な打球が飛んでくるポジションなため、グラブは機能性を意識して選びたいところ。各世代の野球を見てもまだ右バッターが多く、ショートには三遊間の強く深い打球がよく飛んでくるため、セカンドよりも少し深めのグラブが最適。反対にセカンドは野手の中でもっとも小さいグラブを扱うポジションです。併殺打など握りかえの速さを求められるシーンが多く、ポケットは深めと浅めで2つ作り、俊敏な動きについてこれるグラブ選びと作りが大切。

②ウェブで選ぶ
グラブには「ウェブ」という、捕球感に重要な役割を担う箇所があります。プロ野球選手でいうと巨人の坂本選手が使用している「H型系ウェブ」。広島の菊池選手が使用している「クロス系ウェブ」など、操作性や衝撃吸収性がウェブによって大きく変わります。毎年新しいウェブが開発されており、自分にあった最適なウェブを選びましょう。


☑︎サード打球の強弱がもっとも激しいポジションの「サード」。強い打球を近距離で捕球しなければならない場面があるかと思えば、ボテボテの打球を前進ダッシュをして走りながら一塁にボールを投げなければ間に合わないような場面もある最も判断力の早さが求められるポジションです。そのため、強い打球でも弾かず、素早い握りかえが可能なグラブ選びが大切です。


①大きさで選ぶ
サードは強い打球を確実に捕球することが大切です。三塁線上の強い打球も逆シングルでキャッチできる深めのポケットが作れる少し大きめのグラブがオススメです。しかし、体格にあっていない大きさの場合、握りかえの早さを求められる弱い打球処理の時、大きく深めのポケットのグラブが返ってパフォーマンスを落とすことも。必ず体格とのバランスを意識しましょう。

②ヒンジで選ぶ
グラブには「ヒンジ」という、グローブの開閉を担う重要な箇所が土手部分にあります。このヒンジはメーカーによっても違い、開閉のしやすさがヒンジの種類によって大きく変わってきます。強い打球をしっかりと掴むことを求められるサードは、グラブが開閉しやすいヒンジを選びましょう。


まだまだ紹介しきれていない情報がたくさんありますが、野球道具は買っておわりではなく、大切に育てるものです。毎日お手入れをすることで体の一部となるので、グラブを購入後は欠かさずケアをして大切に使っていきましょう。


 Edit:ミスター甲子園 編集部


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