走塁が試合の流れを変える、宮本慎也の走塁の基本【駆け抜け・オーバーラン編】
野球において「走塁」は専門性が高く、WBC2023の日本代表がメキシコ戦でサヨナラ勝ちを果たした時にも、代走の周東選手が大谷選手に追いつきそうな速さでサヨナラのホームを踏み、話題となっていたが、走塁練習に時間を割いている野球チームが少ないのが実情。走塁のミスは試合の流れを大きく変えるため、対戦相手のレベルが上がるにつれて勝敗に関わるので基本は必ず身につけておきたいところ。今回は元東京ヤクルトスワローズの宮本慎也さんから学ぶ走塁術をご紹介。
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|駆け抜けについて
まずは一塁ベースのかけぬけについて。下のイラストにはベースを踏む位置を赤い丸印で記している。
打者は内野ゴロを打った場合、ボールが一塁ベースに到着する0.1秒でも早く到達することを目指す。その際に一塁ベースを駆け抜けることになるが、踏む位置はベースの中心を左足で踏むのが基本(踏む足がどうしても合わない場合は右足でもOK)。理由は右足で踏むと一塁手と交錯するリスク、そして駆け抜ける際にベースの角を踏むと足首を捻挫するリスクが高まるから。左足で真ん中を踏むことでリスクはどちらも軽減。また、ボールチェック(一塁手が送球をそらしているか否か)は、駆け抜け後に体を半転して確認するのではなく、駆け抜けたまま右側を見て判断がベスト。
この際、少しでも2塁への進塁を試みたと判断されるような動作をおこなった場合、そのまま一塁ベースに戻ろうとした場合でも、ベースに戻る前にタッチされるとアウトになるため、判断後は素早い動作が必要。
|オーバーラン(固定式ベースver)
打者が外野へ打球を飛ばした場合、基本的には2塁以上を目指すことになるため、オーバーランの走塁になる。次のベースに早く到達するためには、ベースをどのように踏めばいいのか。答えは右足でベースの側面を踏むことが次のベースに早く到達する方法。
左足でベースの角を踏むことを推奨しているチームもあるが、右足で側面を踏む方が早く進める。このとき、体は内側に傾け、次に踏み出す左足はなるべく内側に踏み出すことでロスを軽減。
Image:解体慎書【宮本慎也公式YouTubeチャンネル】
走塁の基本中の基本である駆け抜けとオーバーランにおけるベースの踏み方、これだけでも時代によって考え方が変化している。その他の走塁技術についても学べる宮本氏のチャンネルは是非チェックを!
Edit:ミスター甲子園 編集部