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高校球児の野球継続率が過去最高に!高校生はなぜ野球を辞めなくなった?

高校球児の野球継続率が過去最高に!高校生はなぜ野球を辞めなくなった?

Photo : AC photo

日本高等学校野球連盟の2022年度野球部員の統計データによると、硬式野球における高校球児の野球継続率が過去最高を記録。1980年代は70%台だった野球継続率が2022年度は92.7%の過去最高の継続率に。近年の高校野球にどんな変化が生まれているのでしょうか。

1980年代の高校野球といえば、KKコンビ(PL学園 桑田真澄と清原和博)が高校野球史に残る活躍を甲子園で繰り広げ、高校野球の面白さを全国に知らしめた時代。この時、入部後4人に1人は高校生3年生までの間に野球を辞めていた。そして現在は10人に1人が辞めるか辞めないかという状況に。この40年で高校野球はどう変化したのだろうか。
Source:日本高等学校野球連盟HP
 

高校野球の透明化

野球に限った話ではないが、高校生が起こす不祥事として「暴力」「いじめ」「飲酒やタバコ」といった問題がある。これらの問題は甲子園に出場する一部の強豪校でも発覚し、出場停止といった処分が度々下されていた。しかし、発覚されていない学校においても、甲子園に出場するためには必要な伝統といった悪しき慣例が多くあった。

現代においてもこの問題は完全に無くなってはいないようだが、インターネットの発達や高校野球の注目度もあがり、多くの大人の目を感じる機会が増え、減少しつつあるのではと考える。その他にも野球部が公式SNSアカウントを開設し、日頃の練習風景などをアップしている高校もあり、野球部と社会が直接接点を持ち、ファンを増やすような活動もおこなっている。

教育方針の変化

1981年にアメリカ合衆国で第1回大会が開催され、2022年には第30回大会が開催されたU-18の野球のワールドカップ「WBSC U-18」。高校野球においても国内野球だけに留まらず、グローバル視点で考えられる事が増え、「多様性」を意識した教育に変化しつつある。

その一つに高校野球=坊主頭といった方針の高校も「短髪OK」になったり、甲子園大会においても女性マネージャーはグラウンドに入ってはいけないなど、これまで当たり前とされてきた伝統を撤廃・改善することで、自分とは違う人を認め合える意識が高校球児に根付き、40年前よりは不祥事が起きにくい環境になっているのではないだろうか。

日本人選手のMLB活躍

大谷翔平やダルビッシュ有など、日本人選手が海外で活躍することが身近に感じる機会が多くなってきた。日本の野球レベルが年々上がり、海外で通用する選手が増えることで、野球に将来性を感じる高校生や親が多くなってきている。

ベースボールドリーム

強豪校では野球部学生は十分な練習時間を確保できるようスポーツコースなどで野球に集中できるカリキュラムが組まれている学校がある。甲子園に出場したり試合で活躍することは、大学やその後の進路が有利に働くからだ。文武両道が苦手な学生は野球を頑張り活躍することでプロ野球選手、または、勉強を頑張った学生と同じように、有名大学に進学し、有名企業に就職するが可能性高くなる。

競争率が激しく、人気の高い日本の高校野球において、野球を継続し甲子園に出場や活躍する事はその後の人生を加速させるためのステップ。「野球を通じて夢を叶えたい」と考える高校球児が多くなってきているのが、野球の継続率アップに繋がっている。
今後も高校生が野球を続けたいと思える環境や社会にするべく、悪しき古い伝統と新しく必要な文化の整理が必要。2023年の高校球児の野球継続率も要注目です!


Edit:ミスター甲子園 編集部


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