2023年夏の全国高校野球で107年ぶりの優勝を果たした慶應義塾高校。その躍進の背景にある独自の哲学を紹介した書籍『エンジョイ・ベースボール　慶應義塾高校野球部の挑戦』（2006年5月刊行）が再び注目を集め、復刊が決定。1991年から25年間、慶應野球部の監督を務めた上田誠氏が、野球を楽しむことを第一にし、自主的に練習に取り組むことで強いチームになれることを実証した慶應義塾高校の「エンジョイ・ベースボール」の考え方が紹介されている。

上田 誠（うえだ・まこと）
慶應義塾高等学校野球部前監督、元英語教諭。1957年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。2005年第77回選抜高校野球大会、2008年第90回全国高校野球選手権記念大会に出場（ともにベスト８）。第39回明治神宮大会優勝。日本高野連育成功労賞受賞。現在は、神奈川学童野球指導者セミナー代表、全日本野球協会（BFJ)団体間連携推進部会員。

「慶應義塾が優勝する25の方法」、「KEIO BASEBALL Baseball Language（試合中の声掛けのあり方）」「慶應義塾高校野球部　部訓」など、慶応ファン、そして高校野球ファン必見のコンテンツが満載。第五章「努力するのは当たり前――毎日の練習」ではスケジュールの組み立て方から毎日の練習内容、自主練まで具体的な実践方法を惜しみなく明かしている。いかにして選手が自分で考え、楽しむ野球を実現するか。そのメソッドを追求した、スポーツ指導者や子育て中の親にとっても学びの多い一冊。

【目次】
はじめに
・第一章　エンジョイ・ベースボール
野球の異様な部分／強制＝選手に考えさせないこと／「エンジョイ」の意味　ほか
・第二章　こんな野球がしたかった――アメリカ野球がお手本
野球の原点／アメリカ野球に注目した理由／甲子園という壁　ほか
・第三章　日本一になろう――20の部訓
チームの意思を統一するには／もっと合理的にできるはず／日本一になることが一番の目標　ほか
・第四章　一人ひとりが独立自尊――野球部はこんなところ
野球部の歴史／意識改革から始まった／常に、どうしたらベストか考えろ　ほか
・第五章　努力するのは当たり前――毎日の練習
メジャー、プロスペクト、ルーキー／合理的で実践的な練習／本を読んで、もっといい選手になる　ほか
・第六章　胃液の出るような緊張を楽しめ――試合ではかく戦う
ベンチ入りメンバーは会議で決まる／データの重要性／監督と選手との信頼関係　ほか
・第七章　未来の野球
監督はどんなことを考えているのか／甲子園出場前と後で変わったこと／アマチュア野球で一番大切なこと　ほか
・あとがき

◾️エンジョイ・ベースボール　慶應義塾高校野球部の挑戦
著者：上田 誠
出版社：NHK出版
発売日：2006年5月10日
定価：968円（税込）
判型：新書判並製
ページ数：224ページ
NHK出版ECサイト：https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000881802006.html

新時代の高校野球のあり方、自分で考え努力を楽しむマインドセットなど、エンジョイベースボールの真髄は野球指導者必見の一冊です。


Edit：ミスター甲子園